大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和28年(あ)5535号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人上山重徳の上告趣意第一点は違憲をいうけれど原判決は所論のような公民権停止の判決をしてはいないのである。選挙権及び被選挙権に対する所論の制限は、公職選挙法二五二条一項所定の裁判の確定という事実に伴い法律上当然に発生するものであり、裁判そのものの内容として裁判により形成せられる効果ではないのであるから、所論違憲の主張は原判決そのものの違法を主張するものではなく上告理由としては不適法である。(昭和二八年(れ)五一三七号同二九年三月一一日当裁判所決定参照)同第二点は事実誤認の主張であり同第三点は量刑不当の主張であり、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 岩松三郎 裁判官 真野 毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例